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2020年10月2日金曜日

JARL電子QSLのコンセプトモデル案

JARL電子QSLシステムのコンセプトモデル案を考えてみました。

随時アップデート予定です
作成:2020/10/02
更新:2020/11/01

単なる個人的なアイデアですのでいろいろと検討の必要があります。皆様の議論のたたき台としてご利用ください。

本来は、要件(要求)仕様をきちんと定義し要件仕様書とし、それを元にシステム構成を考えるべきではありますが、すでにいろいろと考えられている方々もいらっしゃるようなので、いろいろな仕様に対応できるシステム全体を作るにはどういう物が良さそうか、全体の基本思想をどうするのが良さそうなのかを考えてみました。

若い皆さんで、ぜひ、システム構成や機能の議論をしてください。
その際のたたき台としていただければ幸いです。

2019年4月3日水曜日

アマチュア無線の魅力って何だろう

アマチュア無線家によるアマチュア無線のラジオ番組「Ham’sRadio ハムのラジオ」での2019年3月放送は「アマチュア無線の魅力を考える」をテーマとして構成されていました。さらに4月にも延長してこのテーマが続くようです。
2019年3月8日に配信された第323回で私の投稿も読まれたのですが、こちらのブログにも少し記載しておきたいと思います。
「アマチュア無線の魅力を考える、ご意見募集」のページでは、最初の頃は「アマチュア無線を始めた理由と続けている理由」が質問のメインだったので、私は以下のような投稿をしました。
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アマチュア無線魅力と言ってもおそらく十人十色だと思います。
私自身を振り返ってみると、初めて電話級(現4級)を取得したは、当時、パソコンが一般的ではなくアマチュア無線が科学技術系に興味を持つ人達にとって趣味として王道だったからでした。でで自発的に免許を取得しても何かが魅力的だったから始めたという意識はなかったように思います。何か楽しそうだといった雰囲気だけだっただと思います。
ただし、パソコンに興味が移りつつもアマチュア無線活動を続けて行ったは、同じ方向へ興味を持った仲間とコミュニケーション/繋がりだったように思います。
開局当時中高生時代は同年代友人と夜な夜な6mSSBでラグチュー、大学時代から社会人になった頃はパケット通信を基盤としてアマチュア無線メディアを使ってTCP/IP通信を実践した仲間達とレピータを介したディスカッション、そしてそ後もインターネットを通じて技術的興味を共有するやりとり、と、いつも仲間と繋がりが継続してきた動機だったように思います。途中10年程度は電波を出さない時期がありましたがコールサインと仲間と繋がりは継続していました。
アマチュア無線でなくても同じ趣味を持つ「仲間と繋がり」は可能なかも知れませんが、アマチュア無線では単なる交信による会話だけでなく、JCC/JCGからDXCC, IOTA, SOTAなどアワード収集、パイルを抜く/パイルをさばく交信技術、コンテストオペレーション技術、移動運用創意工夫、電磁気学、電波伝播を左右する地学(太陽活動や磁場等)、アンテナ知識、無線機などハードウェア知識、通信プロトコルなどを実現するソフトウェア知識、などなど、楽しみとなる事項や付随する技術/知識が非常に広範囲に及んでいることが私には大きな魅力だっただと今では認識しています。
一時期、個人同士手軽な通信手段として4アマ取得者が増大しハンディ機が普及したことから、アマチュア無線が携帯電話と比較されることがありますが、携帯電話では通話以外知識や技術は求められません。全く的外れな比較だと私は感じています。
皆さんそれぞれ魅力についてうかがえることを楽しみにしています。
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長年続けてきたのは、同じ趣味/興味を共有する仲間との繋がりが大きな要因でしたが、アマチュア無線に関して本当に魅力的に感じたのはその後に書いたように、アマチュア無線を楽しむ為に必要となる技術や知識が非常に広範囲に及んでいて、それぞれの分野が奥深い事でした。
過去には趣味の王様と呼ばれていたのは、アマチュア無線の楽しみ方が多種に渡っていたからだと思っています。当時から、交信を楽しむのも、無線機やアンテナを自作するのを楽しむのも、それぞれの個人個人の楽しみ方を見つけられることが強調されていたように思います。
今となって、DX交信も少しかじってみると、非常に広範囲の知識や技術が必要である事がよく分かりました。
私が短時間で思いつく範囲で魅力に繋がると思われる事柄を羅列してみると…

交信/運用技術

  • コンテスト時のノウハウ/オペレーション技術
  • DX等ペディションでパイルを抜く為のノウハウ/オペレーション技術
  • DX等ペディションでパイルをさばく為のノウハウ/オペレーション技術
  • CWやRTTY等の通信モード毎のノウハウ/オペレーション技術
  • 衛星通信のオペレーション技術
  • EME通信のオペレーション技術
  • マイクロ波の運用ノウハウ
  • QRP/QRO運用に必要なノウハウや各種技術

電波伝播

  • 電離層反射の原理、地磁気や太陽の活動との関連など地学知識
  • 電波伝播に関わる電磁気学
  • 低周波から高周波に渡る電気回路技術
  • HF~マイクロ波のそれぞれの伝播特性

運用システム/関連知識

  • アンテナ設計/作成技術
  • 無線機/リニアアンプや周辺機器の回路設計/作成技術
  • アマチュア衛星などの設計/作成技術
  • アンテナタワーの運用ノウハウ
  • 移動運用のノウハウ
  • 各種デジタル通信の変調技術/プロトコルとソフトウェア知識/技術
  • 各システムを相互に連携してうまく稼働させるためのアーキテクチャ技術
  • 無線機やタワーなどをコントロールするためのソフトウェア知識/技術
  • 各種ソフトを稼働させるパソコンの知識/技術
  • 世界各国のアマチュア無線制度と運用協定などの知識
  • 海外運用のためのノウハウ

アワード/QSL収集

  • DXCC/IOTA/SOTA/JCC/JCG等アワード収集
  • 交信した各局からのQSLカード収集(紙媒体/電子媒体)
  • ClublogのようにQSOデータを多数集めてその中から様々な情報を抽出するビッグデータ活用技術

コミュニケーション

  • 交信すること自体/コミュニケーションの楽しみ
  • 新たな出会いの楽しみ
  • QSOで出会った相手とのアイボールミーティングの楽しみ
  • 若者/ニューカマーとのコミュニケーション/サポート
といったように、それぞれの楽しめる分野/学ぶべき分野/貢献できる分野が非常に多いのです。それぞれの分野として個人で楽しめることが広がっていて、さらに互いに関連しています。そして、各分野に先人がいらっしゃいます。
また、同じ回に読まれた櫻井さん(JQ2GYU/JF1LZQ)は、アマチュア無線という「プロトタイプを実験できる場」を活用した、社会貢献へ繋がる大きな魅力を上げられています。
これを読まれている皆さんも、さらにそれぞれ自分自身で感じられている魅力をお持ちかと思います。
私は、アマチュア無線という趣味は多種多様の分野に渡って楽しみが広がっていることが大きな魅力ではないか、と感じています。




2018年7月31日火曜日

JT65/JT9/FT8の運用環境について/うまく運用できないときの考え方

JT65が流行りだしてからすでに何年も経ち、JT65/JT9/FT8を始めるためのリグやソフトの設定については、CQ誌を始めとして各サイトにて紹介されています。
このブログでは、具体的な設定方法は機種に依存するので記載していませんが、基本的な接続に関する考え方を説明したいと思います。
新しい機種/他のソフトを使う場合に、具体例を検索して調べると同時に動作原理に立ち戻って問題点を特定するのに役立てば幸いです。
(2018/08/02 更新)

パソコンと無線機を接続して、JT65/JT9/FT8といったデジタル通信をする場合、以下の3つの制御が必要となります。このうち、CAT制御はしなくても最低限の運用は可能ですし、PTT制御は無線機のVOX機能で切り替えることも可能です。ただ、この3種類が揃っている方が便利です。

1) オーディオ入出力
  変調のかかった音声を送受信するためのマイク/スピーカー相当の入出力です。
2) PTT制御
  無線機を送信状態に切り替える制御をします。
3) CAT制御
  CAT制御でリグの現在の周波数/モードの確認や設定、無線機をコントロールします。

受信や送信ができない場合、この3つのうちどの制御がうまく行っていないのかを考える必要があります。
それぞれの制御にて、ハードウェア(ケーブル等)の接続がうまくされていることとソフトウェア(各種設定)がうまく設定されていることが必要で、順に確認していくことになります。

A) 受信してもウォーターフォールに信号が表示されない→オーディオ入力の設定が違っている/またはオーディオ入力のレベル設定が低すぎる
B) 受信はできるが、無線機が送信状態にならない→PTT制御がうまくいっていない
C) 無線機は送信状態になるが、パワーが出ない→オーディオ出力の設定が違っている/またはオーディオ出力のレベル設定が低すぎる
D) CATでの無線機制御ができない→CAT制御の設定が違っている可能性が大きい

これらのトラブルが大半ではないかと思われます。

1) オーディオ入出力の設定確認
無線機とパソコンの間でオーディオの信号がやりとりできるようになっているかを確認します。

  • 無線機内にオーディオインタフェースを持っている場合

USBポートでパソコンと無線機が接続されていて、Windows OS側で無線機のオーディオデバイスが認識されているかを確認します。
認識されていない場合は、USBケーブルが正しく接続されているか、オーディオインタフェースのドライバーがインストールされているかを確認してください。
また、無線機側設定で、オーディオ入出力がUSBポート経由でできるように指定がされていることを確認します。

  • 無線機にオーディオインタフェースを持っていない場合

パソコンと無線機の間に外部オーディオ装置が存在する場合は、正しく接続されているかどうかを、パソコン本体のオーディオ入出力を使用している場合は、オーディオの入力と出力の両方が正しく無線機と繋がるようになっているかを確認します。
この接続の場合は直接無線機とは接続されずに、パソコンと無線機の間にインタフェース装置が介在している場合が多いかと思います。

接続が正しい場合は、使用している通信ソフトのオーディオ設定が正しくこれらのインタフェースを使用する設定になっているかを確認します。
また、オーディオインタフェースの音量設定も適切になるように調整してください。
ここまでが全て確認できれば、少なくとも受信はできるようになるかと思います。

2) PTT制御の設定確認
無線機とパソコンの間でPTT制御のための接続がされていることを確認します。
無線機に直接USB接続している場合は通常はUSBインタフェース経由でPTT制御が可能かと思います。
中間にインタフェース装置がある場合は、パケット通信用のコネクタ(8ピンDIN/mini DIN等)でオーディオ/PTT制御をしていると思われます。
VOX制御の場合は、PTT制御の接続は不要です。

使用しているソフトウェアのPTT制御方法が無線機と合わせて正しく設定されているかどうかを確認します。
PTT制御には以下の3つがあるかと思います。
 A) RTS制御もしくはDTR制御
 シリアル(COM)ポートの、RTS制御端子もしくはDTR制御端子のON/OFFによって送受の切替を実行します。パソコンと無線機の接続方法としてこの方式が使える場合は、PTT制御としてこの設定をするのが良いと思います。
 無線機によっては、パケット通信用のコネクタやUSBインタフェースのシリアル(COM)ポートでのPTT制御ができるように無線機側の設定変更が必要となるかと思われます。
 B) CAT制御
 RTS(またはDTR)制御で送受が切り替えられない場合、CATのコマンドをCAT制御のシリアル(COM)ポートで送ることで送受の切替が可能です。この場合は、CAT制御ができている必要があります。
 C) VOX制御
 RTS(またはDTR)制御もCAT制御も出来ない場合は、無線機のVOX機能を使っての送受切替も可能です。ただし、VOXで送信に切り替わる遅延時間などをうまく通信できるように調整する必要があるかも知れません。もちろん、無線機はVOXによる送受切替の設定にする必要があります。

3) CAT制御の設定確認
最近の無線機では、シリアル(COM)ポートでのコマンドのやりとりで無線機をコントロールすることが可能になっています。少し前の無線機では、無線機にシリアルポートがあって、パソコンのシリアルポートとケーブルで接続していましたが、今ではUSB接続をして無線機内の仮想的なシリアル(COM)ポートが認識されることが増えました。
無線機の機種によりますが、少なくとも八重洲機(SCU-17も同じ)ではPTT制御用のシリアル(COM)ポートとCAT制御用のシリアル(COM)ポートの2つがパソコンで認識されます。これらの2つは完全に用途が違うのでそれぞれ間違えないようにしてください。
CAT制御用のシリアル(COM)ポートは、シリアル通信のための設定が必要となり、通信のパラメータを無線機とパソコンで合わせる必要があります。
通信スピード(4,800bps~19.2(38.4)kbpsなど)、通信ビット数(8ビット/7ビット)、ストップビット(1ビット/2ビット)、ハンドシェーク(フロー制御)などを無線機とパソコンで合わせます。詳細内容は無線機のマニュアルに記載があるかと思います。
また、無線機(メーカー)によってCAT制御のコマンドが異なりますので、適切な設定にする必要があります。

ハンドシェーク(フロー制御)
これらの設定のなかで、分かりにくいのがハンドシェーク(フロー制御)の設定です。
一般的にシリアル通信では、受信側が送信側のデータ送出を受けきれずに「ちょっと待って」と、通信を一時止める制御ができ、ハンドシェーク(フロー制御)といいます。
パソコンソフトウェアのハンドシェーク(フロー制御)の設定は、None/XON・XOFF(ソフト制御)/RTS(ハード制御)の3つあります。
これも無線機と合わせる必要があります。
ハンドシェーク(フロー制御)には以下の3種類があります。

None:フロー制御をしない。送信側は相手の状況を検知せずにデータを送信します。
ソフトウェア制御(XON/XOFF):受信側からXON(cntl-Q)とXOFF(cntr-S)の文字をシリアル通信の符号データとして送る事で制御する。
ハードウェア制御(RTS):シリアルポートのRTSピン信号のON/OFFで行う。RTSをONに固定するような設定がある場合は、Noneと同様の動作になりますが、シリアル通信は成り立ちます。

これらの設定が合っていないとCAT制御ができない場合があります。「場合がある」と書いたのは、Noneの設定でもRTSの信号をずっとONにするソフトウェアであれば、合っていなくてもCAT制御できる可能性があるからです。

以上、3つ(オーディオ、PTT制御、CAT制御)のインタフェース設定が正しく設定されていればうまく運用ができるかと思います。なにかうまく動かない場合があるときは、この3つのどれがうまく行っていないのかを順に確認してみてください。問題点が見つかればしめたものです。

注意:1つのシリアル(COM)ポートは、通常は1つのソフトウェアでしか接続/制御できません。
例えば、ログソフトで無線機の情報を取得することとJT65/JT9/FT8のソフトで無線機を制御する場合などはCAT制御のシリアル(COM)ポートを共有することが必要となります。
複数のソフトウェアでシリアル(COM)ポートを共有したい場合は、シリアル(COM)ポートの共有ソフトウェアを別途インストールする必要があります。
この場合は、元のシリアル(COM)ポートのポート番号と通信するソフトウェアにて設定するポート番号を、同じ番号にする共有ソフトウェアと異なった番号にする共有ソフトウェアがありますので、設定時に注意してください。

2018年5月6日日曜日

小規模設備での中級者DXCC考

2018年3月末に、DXCC交信難易度リストなるものを公開させていただきましたが、初中級レベルでのDX交信のアプローチに関して実経験談から少し考えてみたいと思います。
私自身は、DXCC 250をやっとコンファーム出来た程度なので、まだまだ中級レベルかと思います。
更新(2019/11/08)

DXCC100まで
エンティティ数が50程度までであれば、コンディションにもよりますが、それほど工夫や苦労をせずに交信可能かと思います。私自身、2011年11月に初DX交信をしたのが、軒先モービルホイップで10m/JT65モードでのブラジル局でした、同じ日にUSA、ウルグアイ、フィリピン、ロシア(アジア)と交信、2011年11/12月のうちには31エンティティの交信ができました。もちろん、すべてが難易度"C"のエンティティでした。
比較的小規模でもJT65ならDX交信ができそうだと思った私ですが、さすがにモービルホイップでは難しいと思って、11月のうちに国産の5バンドGP(CP5HS)に変更しました。
翌年7月、Cushcraft社の6バンドのバーチカルアンテナ(R6000)に替えるまでに、52エンティティと交信できました。
2012年12月には、WARCバンドを含む2エレ(18/24/50Mhz)を追加し、2013年2月に100エンティティとの交信を達成しました。
この時に感じていたことは、「聞こえないと交信できない」→「アンテナのグレードアップが重要」と言うことでした。これは今でもずっと感じていることです。
JT65でなら小規模設備でもDXができるのは間違いではないのですが、なんの工夫も努力も不要と言う意味ではありません。2012年頃であればJAからのHFでのJT65運用局も少なく、CQを出せばあちこちから呼ばれました。また、多少珍しい局が出ていても、それほど大きなパイルにはならずに何回かトライすると交信ができました。
2018年ではどうでしょう。JT65は交信に長時間かかることから相手局もかなり減っているように思われます。1回の送信が15秒とJT65の1/4の時間で行えるFT8が主流になっていて、JT65と比べると弱いシグナルはデコードがしにくくなったり、多数の大規模設備局が参画してきて、パイルになるとパワーを掛けないとなかなか交信できない状態となっています。しかも、現在のようにコンディションが悪いと、アンテナが貧弱だと相手局が聞こない(デコードできない)ことも多い状況です。
より弱い局と交信(受信)するために、釣り竿アンテナ+ATUの環境でもグランドを強化したり、同じアンテナでもノイズの少ない開けた場所に移動して運用することで、交信範囲が広がってきます。もちろん、10Mhz帯、14MHz帯といったDXにより適したバンドに出たり、よりパワーを出すために上級資格を取ることもかなり有効です。
ちょっとした工夫や努力をすることでDXCC100達成はそれほど高い壁ではなくなると思います。

DXCC150~250へ
DXCC100を達成したあと、150~200へ到達するには、タワーを建てるなどの大規模設備の所有ができないのであれば、ある程度時間をかけてコンディションの良い期間に運用する必要があるかと思います。
2013年1月に、R6000と同形式で、7/10MHzから50MHzまでの8バンドに出られるHy-Gain社AV-640に変更。私のDXCC200交信は2015年5月、DXを追いかけはじめて3.5年で達成できました。ちょうどコンディションが良い時期であったことと、この前年にFTdx3000を導入して受信性能も上がったことが大きな要因だったと思います。LP-PAN2というSDRを利用して、FTdx3000でもデュアルワッチを出来るようにしたのは、「CQ ham radio 2017年4月号」に記事を書かせていただきました。DXペディションのパイルを抜くにはデュアルワッチがかなり有効な武器になります。
2015年5月には、うちの自宅ではこれ以上のアンテナは難しいだろうと思われるHEXBEAMアンテナを導入し、バーチカルとの2本体制にしました。(ただし残念ながら、このアンテナは1年経たずに、2016年1月の東京の重い湿り雪と強い風で倒壊してしまいました。同時にAV-640も折れてしまいました。)
HEXBEAMは、フォールデッドの2エレ八木アンテナを複数組み合わせたものです。トラップやローディングコイル無しで、14MHz~50Mhzの6バンドに出られます。1フィードで、アンテナ切替も不要で使いやすいアンテナです。
Hy-GainのAV-620/640/680やCushcraftのR6000/R8/R9は長さはありますが、少ない面積で上げられる性能の良いアンテナだと思います。これらは3/8λのアンテナで、国産の1/4λを基本とするアンテナと違ってラジアルが非常に短く(1.5m程度が複数本)、それでいて性能が良いと思います。1/4λのGPだとグランドラジアルにも1/4λが必要になり短縮の影響も大きくなって、調整が難しいようにも思います。
また、バーチカルアンテナは周囲のノイズは拾いやすいですが、打ち上げ角が低くなってDXには向いています
この頃は、Newエンティティが出ているのがスポットされれば、朝の出勤前や帰宅後の夜もワッチをしていました。自宅で平日も運用できる環境があることは、DXCC200程度以上を狙うには有効だと思います。
200を超えるにはDXペディションのパイルへの参加も必要になります。小規模な設備でパイルを抜くにも、いろいろと工夫が必要かと思います。もちろん、パワーを上げることで取ってもらえる可能性が上がりますが、上記、FTdx3000のリグ導入で書いたようにデュアルワッチやスペクトラムアナライザでピックアップしている周波数を探って、そのオペレータのクセを掴むことが、パワー以上の効果を発揮すると思います。
難易度C,B,Aまではこの程度の設備でも十分交信できるように思います

移動運用をメインとして自宅ではほとんど運用されていない友人で、DXCC 200を超えている方もいます。彼は機会を見つけては開けた河原へ移動、17m長ものバーチカルLWを垂直に建ててATUを使って160m~6m、20m用のデルタループアンテナにATUで30m~6mの運用をしています。移動運用はノウハウの塊で、いろいろな工夫があるようです。
出力50Wでの運用ですから、出力だけが必要なのではないことがよく分かります。

DXCC250以上へ
私はまだ経験していない領域ですが、DXCC250を超え300以上に達するには、長期間(2サイクル以上)を必要とすると感じています。
少しでも増やそうと思うと、あとは大規模設備の仲の良い友人に設備共用で開局させてもらうのも手かと思います。実は私も、これはというDXペディション時には2エリアの友人の設備をお借りしています。ランクAAAは、特にコンディションの良くない時期では小規模な自宅環境ではかなり難しいです。(もちろん、自宅でタワーを建てられる環境であればその限りではありません。)
それでも、自宅環境にこだわるのであれば、コンディションと運と時間をかければ決して不可能ではないと考えています。

[補足]FT8等デジタルモード追加(2019/11/08)
2010年頃から、JT65A/JT9といったデジタルモードがHF帯でも普及してきてDXCCの獲得に貢献してきています。JT65A/JT9では1回の送信/受信タイミングが1分毎なので、1交信を完了するのに5,6分間かかってしまいます。そのため、JT65A/JT9のDXペディション運用は皆無でした。FT8が開発され、送信時間が1/4程になり、またFox/Houndモードといった同時に複数局との交信が可能な方式が実装されて、RTTYよりもメジャーなデジタルモードになりつつあります。RTTYよりも設備の規模が小さくても交信がしやすくなっているため、DXCCを効率的に増やすのには必要になってきているように感じられます。
また、運用方法の是非はともかく、CWやSSBで運用しているオペレーターが隣に設置したリグで同時にFT8の運用をすることも可能ではないかと考えられるため、運用局のトータル交信数の増加にも貢献するように思われます。
FT8運用では送受の切替などはプログラム任せで、ほぼ自動で交信が成立するため運用を避ける方もいらっしゃるようですが、小規模設備でのDXCC獲得には必須のモードになっていると考えられます。
なお、自動での交信が可能とは言え、他の局との同周波数での送信を避けるなど運用方法の工夫の余地はあるでしょう。

DXCC 現状(2019/11/01):
Workedは、Mixed 273、Challenge 1110
QSLカード+LoTWの合計では、Mixed 264、Challenge 1017 コンファーム
(うち、LoTWでは、Mixed 250、Challenge 962)

DXCC 現状(2018/05/01):
Workedは、Mixed 268、Challenge 1072
QSLカード+LoTWの合計では、Mixed 254、Challenge 972 コンファーム
(うち、LoTWでは、Mixed 240、Challenge 907)

2018年3月30日金曜日

DXCC交信難易度リスト(2018)

これからDXCCを始めようと考えておられる方々の参考になるようにDXCC交信難易度リストを作成しました。
2004年まで、櫻井氏(JQ2GYU/JF1LZQ)と故 中村氏(7K4QOK/JR2BNF)が作成されていたリストを更新したものとなります。
今回、櫻井氏と岡(JF3KOA/JR2UYE)で2018年版として見直しました。

交信難易度リストについて:
現在(2018年3⽉)の各エンティティでの運⽤可能性状況を考慮し、⽇本からの交信難易度をC〜AAAで表現しています。
過去には容易に交信できたエンティティ(カントリー)でも、現在では運⽤が⾮常に困難になっていることがあり、不変なものではありません。
あくまでも、これからDXCCを始めようと考えておられる⽅々の参考になるように作成しております。

表示順などで、いくつかのPDFファイルで提供します。
使いやすいものをダウンロードください。

プリフィックス順
Club Log DXCC Most Wanted List [Far East AS]順
Club Log DXCC Most Wanted List [Far East AS]逆順
・CQ Zone順

・大陸別
アフリカ
アジア
ヨーロッパ
北米
南米
オセアニア

・ランキング別
ランクA~AAA
ランクB&C

以下、ご自身で表示順を変更するなど加工が出来るようにエクセルファイルを公開します。
ただし、このファイルのみの他への公開はご遠慮お願いします。
・Excelファイル


更新日(2018/04/01)

JF3KOA's Blog Start

JF3KOA(岡)です。
これまで、アマチュア無線関連のブログは作成していなかったのですが、ちょっとしたことをきっかけに作ってみることにしました。
ただし、定期アップデートはしないですし、ブックマークされても全く有用ではないと思います。

自己紹介を記載しておきたいと思います。

アマチュア無線歴
1976年11月:JF3KOAのコールサインがアサインされ開局しました。当時の電話級です。
それからなんとか1度も切らさずに、再免許を続けてきています。
最初の数年は、学校のクラブ局と自宅からの運用をしていました。
当時の入門バンドでもある6mバンドを中心として、クラブ局の6エレ2段スタックアンテナや自宅の6エレを使っていました。
リグはFT-620でした。
開局当時は、夜な夜な同年代の友人とSSBでラグチューを楽しんでいました。
実は、母校のアマチュア無線部が今も健在で、当時のコールサインがまだ使われており、数年前からコンタクトを取っています。非常に嬉しいことです。
1980年代~:大学生になって関東に来てもしばらくは430MHz帯を中心に運用していました。
当時、パケット通信なるものが流行っており、音声交信よりもパケット通信そしてそれを使ったネットワークに興味が移りました。
そして、PRUG(Packet Radio Users Group)という、技術グループの活動に参加するようになり、9,600bpsでのパケット通信や、車車間通信の実験に戦闘員として参加していました。
その後、アマチュア無線のパケット通信を使ったTCP/IP通信に活動が移り、日本のインターネット普及前夜の時期に、ネットニュースや電子メールを通してのコミュニケーションを楽しんでいました。
TCP/IPの通信は有線へ移行、アマチュア無線は、スキー場での連絡やモービル機を車に設置していて、友人とのツーリング時のみの運用だけになっていました。
2011年11月頃:再免許の時期をきっかけに、久々にアマチュア無線らしい活動に復帰することを決意したのですが、そのきっかけになったのがJT65というモードの存在です。
まずは、2Fベランダの軒先にモービルホイップを上げ、FT897DMを使って運用を開始、ちょうどサイクル24での太陽活動が立ち上がっていて、10mで南米との交信が初DXとなりました。JT65を使うと、DXとの交信が非常に簡単にできると勘違いした私は、そこからDXCCを目指すといった沼にはまってしまったのでした。

DXCCは2018年3月現在、LoTWで234エンティティのコンファームができました。(紙QSLカードを含めると250になるのですが、エンドースしていません)
当面の目標は、LoTW コンファーム 250、DXCC Challenge 1,000です。

更新(2018/03/30)